思想の備忘録

農業のこと、本のこと、思想のことなどなど

今やぼくたちの未来の希望は後ろにしかない。

 

ある京都にある喫茶店のオーナーはこう言っています。

「僕にとっては「後ろ」が「前」なんです。ややこしい表現ですかね。どういうことかと言えば、どんどん消費のサイクルが早くなるばかりの現在、少し後戻りするしか、この先よくなることはないと思っているんですよ。悪魔の機械(インターネット)が生まれてから、ますます人や商売が均質化した。これははっきり言って、退化です。」(1)

 

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↑私たちは本当に未来に進んでいるのだろうか

 

自分は現在23歳という年齢で、大学を卒業して今年新社会人としてデビューをしたのだが、周りの友達の仕事の状況などを聞いていると今の社会の状況はかなりやばいなと感じる。

 

ゆとり世代」と言われる1987年以降に生まれた世代とそれよりも前に生まれら世代との分断が起きており、それと会社にぶら下がることが正解だった人たちとこれから社会に出て行く人たちとの理想の働き方が全く違うということだ。

 

情報化社会になり社会の仕組みや働いている人たちの考えていることがある程度筒抜けになった状態では若い人たちはある程度今の社会のヤバさみたいなのを感じている人は圧倒的に多いと思う。

 

 今の日本は何か違うということに気づいている人は多い。

 

今から社会に出て行く若者はだんだん少なくなって行きます。

だが、今の企業には若手を育てる土台がある会社とない会社があると思う。

 

大手企業だったら教育制度は整っているところは多いのかもしれないが、日本のほとんどは中小企業であるが、中小企業は今ほとんど人手が足りておらず教育にも手が回らないという企業も多い。

 

人手が足りないから何も教えてもらうことはできず、そのまま放置プレイをされ、何も教えてもらっていないのに契約を取ってこいなどと言われる、そんな友達が結構多いし、もう耐えられないやめたいと言う人がかなり周りの友達に多いことにびっくりしている。

 

ぬるま湯の大学に浸かっていてだから社会の厳しさについて行けないだけなのか、それとも我々ゆとり世代の考え方や、働き方などが変わったからなのか。

 

僕は後者なんだと思う。

もう会社が私たちの生活を面倒見てくれるほどの給料も払えないし、そんな魅力もなくなっている。

会社というものに魅力を我々は感じなくなっている。

 

我々は「乾けない世代」である。

 

新しく生まれた「乾けない世代」は「意味合い」、「良好な人間関係」、「没頭」を重視するということが特徴であり、上の世代は「乾いている世代」と言われ、国や社会などを支えるという大きなモチベーションがあった。(2)

 

 

 このモチベーションの違いが若い人と上の世代との大きな違いなのである。

もう完全に違う生き物が会社に入ってくると考えてもいいのかもしれない。

 

これからは「ワークライフバランス」の時代から、「ライフワークバランス」の時代。

 

日本似た国にドイツがある。

ドイツは日本と同じような国土の広さで、GDPも日本が3位でドイツが4位で日本と同じような国であると言える。

 

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しかし大きな違いがあるそれは労働生産性である。

ドイツは1時間当たりで見た労働生産性は65・5ドルであるが、日本は42・5ドルで単純に比較すると、ドイツは日本の1・5倍以上の生産性があります。(3)

 

ドイツで長年働いている隅田貫さんはなぜこんなに生産性が違うのかというと「いつも100点を目指す」のではなく、「場合によっては70点でも良い」という考えだからだといっています。(4)

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↑性格の違いと空気感が仕事の生産性を変える。

 

 そしてドイツ人はまず家族ありきで、家族との時間を一番に考えて仕事を考えています。

 

最初に「ライフ」を考えることが「ライフワークバランス」なのです。

 

日本のように仕事があるから家族との時間がないと考えると、仕事の生産性も上がらず、家族との大切な時間も取れないという中途半端な最悪な結果が訪れています。

 

これからは最悪な未来が訪れるがどうすればいいのか

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これから人口減少、高齢化というこれまで世界が経験したことがない状況を日本が初めて体験することになります。

 

しかしこれまでの日本がいいことづくしの条件がたまたま揃っていただけなのかもしれません。

 

先進国というのは多分日本と同じような道をたどっていくと思います。

人間と同じように、成長があれば、老化していくように、下降していく経済もあるのかもしれません。

 

劇作家の平田オリザさんは様々な地方に行くという活動もしておりこのようなことを言っています。

「頂上を目指して歩き続けて来たけれど、着いてみたら狭くて風が強くて居心地が悪かった。ちょっと降りたところにある窪地の高原とか湖畔の方がずっと気持ち良い、というようなことがあるものです。」(5)

 

豊岡市の中貝市長はコウノドリを増やしたことで有名ですが、その市長は「下り列車の先に未来がある」と言い、これまで優秀な人材ほど、全て上り列車に乗って都会に向かっていましたが、これからは逆になっていくとも言っています。(6)

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 ↑大切な時間を取り戻すことに時間をかけなければいけない。

 

我々若い世代と上の世代がお互いの考えを理解することは相当難しいと思いますが、いつの時代も若者が変えてきたように僕等が日本を変えることを自分がいるその場からやっていかなければならないとヒシヒシと考える今日この頃である。