幸福になるには自分の注意をどこに配分するかで決まる。
今の世の中幸福を手にしたいと思う人々がたくさん喘いでいるように見える。
だから本屋には自己啓発が溢れ、自己啓発セミナーは乱発されている。
どうすれば自分は幸せになれるのか、考える時間が増えている。
幸福とは、どこにどれだけ注意を向けるのかで決まる。
幸福になれないことにどれだけ注意を向けても無駄なのだ。
自分を幸福にしてくれることだけに注意を向けることが大切なのだ。
今回はこの本を紹介したい。
そこらへんにある自己啓発なんて読むのより数倍面白いし、これからの人生に役に立つと思う。
幸せな選択、不幸な選択──行動科学で最高の人生をデザインする (早川書房)
- 作者: ポールドーラン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/08/31
- メディア: Kindle版
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幸福とは快楽とやりがいが持続すること
まず幸福を考える時に自分にとって快楽とは何か、やりがいとは何かを分かることが大切だ。
私が孫たちに説明するなら、こんなふうに話したい、「幸福」とは、喜びとやりがいの両方が得られる経験に満ちた生活のことだよ、と。
快楽とやりがいを分けて考えるということが必要で、快楽とやりがいを二つ感じることができるのであればそれが一番良い。
そして快楽とやりがいが持続することができれば幸福になることができる。
幸福とは難しいことではないのだ。
自分にとって最適な快楽とやりがいのバランスが取れているときに、あなたは最も幸福だと言える。
快楽とやりがいの二つのバランスをとることも大切である。
現代人は快楽の方向ばかり追っているが、やりがいということも考えることで幸福へと導かれる。
バランスを考えることが必要なのだ。
そして筆者は快楽とやりがいのバランスをとることができれば後悔も少なくなるということも言っている。
ここで面白い実験を紹介しよう。
卒業生が40年前の冬休みを振り返って感じた公開を調査してみると、学生たちはちゃんと勉強しなかったことを後悔し(やりがいのある活動をしておけばよかった)、卒業生たちは40年前に思いっきり遊んでおかなかったことを後悔していた(快楽に満ちた活動をしておけばよかった)直近の後悔やはるか昔の後悔に気を病むよりも、いま快楽とやりがいのバランスの取れた時間を過ごすことを優先したほうがいい。快楽とやりがいのバランスが取れていれば、おまけとして後悔も少なくなりがちだ。
よく社会人が学生に向けてしっかり遊んでおけよ的なことを言いがちだが、結局社会人になってからも後悔はする。
だけども快楽とやりがいのバランスを取ることで未来の後悔は少なくなるのだ。
あなたは「快楽型」か「やりがい型」かそれとも「バランス型」か?
あなたはやりがいよりも快楽を多く味わっている「快楽型」だろうか?それとも辛くよりもやりがいを感じている「やりがい型」?それがうまくミックスされた「バランス型」?あなたは今、振り子のどのあたりにいるだろうか?その位置に満足しているのだろうか?
何が快楽ややりがいをもたらして、何がもたらさないかについての直接的な「フィードバック」に注意を向け、その情報を未来の幸福について予想する際に活用することだ。
周りの人間に踊らされるように快楽を求めることが自分に良いとは限らない。
どの型が自分に合っているのかを実際に体験し、フィードバックをすることで型は徐々に出来上がってくる。
自分にとって最適な型を作ることで周りには惑わされることは少なくなってくるだろう。
私たちは一般に、実際に自分を幸せにしてくれるものではなく、幸せにしてくれるはずだと思っているものに注意を向けてしまう。
筆者が言っているように私たちは幸せになれそうなものに手を出してしまいがちだ。
だがそれでは幸福を手に入れることができない。
世間に転がっている幸福だけが正解ではなく、自分で見つけ出すという態度が必要になってくるのではないだろうか。
教えてもらうのではなく、自分で見つけ出す。
幸福という最終ゴールには自分の経験からフィードバックを使い進んでいくのだ。