思想の備忘録

農業のこと、本のこと、思想のことなどなど

「幸せになる勇気」 若者たちよ今こそ本当の愛を知ろうではないか。

前作の「嫌われる勇気」は100万部を突破し、韓国では49週1位という爆発的なヒットを記録した。

アドラーは競争することを大きく否定している、その思想が韓国の激しい競争社会にアンチテーゼを立てたからヒットしたんだと思う。

 

今回の「幸せになる勇気」では前作を踏まえてより深く話がされている。

より実践的なことが書かれていて、内容もそんなに長くないし、これからの生き方に影響を与える深い言葉がたくさんある。

 

そこでこの記事では「愛」についてアドラーの考えを書きたいと思う。

 

 

 

愛は落ちるものではない?

 

一般的な愛は2つある。

相手のことを崇拝して、けがれを許さないとてもきれいな人として見る愛。

 

相手の容姿に性欲が湧き、性的なものに駆られる愛。

 

これは誰にでも分かる気持ちだと思う。

でもそれは「観念的」と「本能的」愛ばかりである。

もう一つの「人間の愛」をだれも知らない。

この「人間の愛」とはなんなのだろう。

 

「愛とは。一部の心理学者たちが考えているような、純粋かつ自然的な機能ではない」

 

愛は本能的に、運命的に定められていると思っているが、それは違う。

愛は「築きあげるもの」である。

これを知らなけれ一番大切な「愛すること」ができていない。

 

エーリッヒ・フロムはこう言ってます。

確かに他者から愛されることはむずかしい。けれども、「他者を愛すること」は、その何倍もむずかし課題である。

 

 

相手にずっと好きという感情を持ち続けるのは難しい。

どんなに一目ぼれで、大恋愛をした相手でも飽きることがある。

そして飽きたから別れる。これでは常に消費するだけの恋愛しかすることができない。

相手に対して気持ちを持ち続けることが難しいことか。

 

 

本当の愛とはなにか?

 

 

愛とは、「ふたりで成し遂げる課題」である。

しかし、われわれは、それを成し遂げるための「技術」を学んでいない。

 

 

学校や、会社など組織での人間関係は学んでいるが、2人だけで作る関係性は教えてもらうことはない。

2人で作るということは自分の幸せだけじゃなく、相手の幸せだけでもなく、「ふたりの幸せ」を作らなければいけない。

それは簡単なことではない。

愛とは二人の人間関係を作り、二人の幸福を作るということ。

 

なぜ愛することが幸福につながるのか。

 

 

ひと言でいえばそれは、愛が「わたし」からの解放だからです。

 

今まで自分中心で見てきた世界が「わたしたち」という世界に視点が変わる。

「自分」という自我が消える。

それにより幸福になる。

これで貢献感を感じることで幸福になることにも納得ができる。

相手に対してなにかすると幸せな気持ちになるという経験はしたことがあるだろう。

この行為に「自分」は存在していない。相手のことしか考えていないだろう。

これが自我が消えた状態だ。

自分の欲求だけを求めていては幸福感は少ないが、相手と共に作り上げる幸福はとても大きなもの与えてくれる。

 

愛とは決断すること。

 

「誰かを愛するということはたんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」

 

結局運命なんてない、それは錯覚で、ふたりで作り上げた結果、運命という所にたどり着くだけだ。

だれでも人は愛することはできる、決断をすれば。

そこから二人の旅が始まる

本当の愛を探しに行く旅をしようではないか。

 

 

これは内容の一部です。

気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

 

 

 

 

 

 

 

「マリーゴールドホテルで会いましょう」 人生の真理が詰まった映画だった。

f:id:asenari78:20160310154551j:plain

あらすじ。

恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチビル・ナイマギー・スミストム・ウィルキンソンら豪華キャストを迎えて描く群像コメディドラマ。「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、穏やかで心地よい日々を」という謳い文句と美しいガイド写真にひかれて、イギリスからインドにやって来た未亡人イブリンら、それぞれの事情を抱えた男女7人。しかし、彼らを待ち受けていたのは「近いうちに豪華になる予定」というオンボロのホテルと刺激的すぎる異国の文化だった。

 

 

人生の終わりを迎える時間が近づいてきた老人たちが異国のインドで生活をするにつれて変化が訪れる話であった。

 

年齢を重ねてきていろんな問題や、考えを抱え、その数はどんどん増えていく。

年を重ねるということは背負うことも多くなるということだ。

そして触れるものが限られてくる。その限られた環境に置かれれば人間はその範囲の中だけの考えや、自分だけの哲学に勝手に染まっていく。

だがどんな年齢になっても環境を変えれば人間は変化することができる。

「自分が変わりたければ、環境を変える。」これは心理である。

人は環境に適応する生き物である。

 

年齢に対して積み重ねられた経験や考えを持った上でインドに行きこの老人たちは息を吹き返したように変化が訪れる。

それは周りの人にも影響する。

 

インド人のただ目の前にあることだけをして生活する、他はなんにも考えないという感じがいい。

目の前のことを集中してやり遂げることは今の時代難しいことになっていると思う。

だからこそ日々の1日を大切に生きぬことこそ今求められていることだろう。

 

この映画の中に出てきた素敵な言葉を紹介しよう。

本当の失敗とはやらないでおくこと。

喜びは失望を振り払って手に入れる。

 

 

 

映画のホテルの若い管理人の親は金持ちで、ホテルを取り壊して一緒に実家にもどり

親が用意した嫁さんと安泰に暮らそうと言われる、でも彼はそれは選択しなかった。

本当に僕に残されたのは成功しなかったこと。と彼は言った。

そして彼は挑戦を選んだ。

人生は自分の選択した事で自分が満足する結果を得ることによってこそ幸せが作られる。

他人が作ったルートではなんにも面白くない。

だからこそ挑戦することが必要だ。失敗するかもしれないからなんて関係ない。

まずは挑戦する話はそれからだ。

 

リスクを嫌って冒険を避ける者は、何も得ない。

人が恐れるのは現在そのままの未来。だから変化を喜ぶ。

 

 

 

自分で掴む人生を選ぶならそれにはリスクがつきものである。

冒険を選ぶなら危険はそこら中に眠っている。

リスクと共に歩んでいかなければならない。

変化がが欲しければ常に前を向いて進んでいく。

 

 

人生に悲歌する必要はない。人生は常に挑戦である。挑戦という気持ちを持つことが必要だろ。

 

自分の人生を生きたい人はぜひ見てほしい。